
久しぶりに世界遺産『白川郷』に寄った。
長らく立ち寄ってなかったが、石川まで抜けるのにフラッと寄り道。
白川郷

1995年に世界遺産登録された世界遺産『白川郷』。
山間の集落として美しい田園風景が広がるのどかなこの村には、114棟の合掌造り家屋が現存する。
合掌造りとは、屋根の形が手のひらを合わせたように形造られていることがその名の由来となっている。
合掌造り内部

藁葺屋根は今でも丸太の合掌材と縄と木製のくさびのみで組み上げられていて、骨組みの合掌材は細く削った先端を受ける側の穴に差し込んである。
差し込んであるだけで固定しないため、豪雪の重みを逃す役目も果たしているようだ。
積雪の白川郷

このあたりは日本有数の豪雪地帯でもある。
積雪の白川郷はまた格別だ。


キンッと冷えて静かな中、シンシンと雪降る中、白川郷を散歩すると日本人であることを感じさせてくれる。
日本人の原風景というか、懐かしくなるような感情を沸き立てられる場所なのだ。
白川郷では合掌造りの家々の藁葺屋根は約30年で葺き替えられる。
葺き替える時は村人たち総出だ。
今でも村社会の文化が生きている。

こうして現存している合掌造りが集落として現存していることが評価された世界遺産だ。
国外だけでなく、ぜひ日本の世界遺産にも目を向けてほしいと思える場所だ。
そば処 荘川
名古屋から白川郷に向かう途中、荘川という場所がある。
今や日本一の来客数を誇るようになった岐阜・奥美濃のスキー場関係者もあまり立ち寄らない場所。
観光で有名な郡上八幡や飛騨高山とも合間にあたる場所。
ここでそばを営むお店がある。
『荘川そば 蕎麦正』だ。
荘川そば 蕎麦正
真冬には-23度を記録することもある荘川町。
御母衣ダムから流れる清流荘川が流れ、ひだ蕎麦の有名所でもある。
「荘川で採れた蕎麦は、甘みがあり風味がいい」。
そんな主人が打つ蕎麦。
ここ蕎麦正だ。

白川郷の帰り、飛騨高山の帰り、奥美濃で午前中に滑って昼ごはんに、何度となく通ったお店。
11:00~売り切れまで。
まるで沖縄そばのお店のように、14:00過ぎには無くなっていることもあるので絶対に食べたい方は早めの来訪をオススメする。
絶対食べたいのはこれ『源流そば』。

ここの蕎麦は、本当にまずは蕎麦と添えてある塩だけで食べてもらいたい。
「通は塩」こんな冷やかしのような声がくだらなく感じるぐらい、ここの蕎麦は塩で食べるのが美味しいのだ。
それは間違いなく主人の腕である。
数多の蕎麦を食べてきたそば喰いの自分が言うのだから間違いない。
全部ではないが東京で有名なお店にも通った自分の中でも、ここの蕎麦はのどごしも香りも格段に美味しい。
蕎麦だけ口に入れてもポソポソすることなくむしろ瑞々しいぐらい。
しっかり角が立った蕎麦、蕎麦ののどごしを味わうとはこのことかと感じさせてくれる。
塩で2-3口味わって、初めてそばを3分の1ぐらいツユにひたして食べるといい。
ここのツユが濃すぎることなく、また違ったそばの旨さを感じさせてくれる。
自分は大盛りで注文して塩とツユだけで十分完食できてしまうぐらい、ここの蕎麦は蕎麦自体がべらぼうにうまい。
好みで添えてある大根おろし、ネギ、丸のまんま出てくるワサビをすりおろして楽しむ。
赤い器に入ったそば湯には少し薬味を入れるのが最高だ。

そばだけだと少し物足りないな、という方はぜひ一緒に天ぷらも。
ここの天ぷらは安易に海老とかを持ってこず野菜や山菜の天婦羅が味わえる。
これだけでも相当な値打ちだ。
どの食材も香りと風味が強く、天ぷらだけでも美味しい。
ただ、単品でというよりかは野菜や山菜の香りがスッキリさせてくれて蕎麦をますます美味しく感じさせてくれる天ぷらだ。
ノドから胃腸まで掃除してくれるようなのど越しと、清廉な食後感を楽しめる蕎麦正の蕎麦をぜひ食べてみてもらいたい。
【荘川そば 蕎麦正】 住所:岐阜県高山市荘川町牧戸159-2 営業時間:11:00~売り切れ次第終了