母から富士山に連れて行ってほしいという提案を受けて車を走らせていた。
母方の祖父は(たしか)第二次世界大戦時は空軍に属しており、戦時には富士山が見える麓の基地で生活をしていたようだ。
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祖父は戦争のことを多くは語らない人だったが、「戦争だけは絶対やっちゃいかん。」と言っていた。
当時は戦死した仲間を追えなかった自分を悔いていたようだったが、自身が祖父に接する頃には母には当時の自分が後を追うだなんて愚かなことだったというような話もあったようだ。
そんな祖父が亡くなる前に、母には「もう一度富士山を見に行きたい。」と話していたようで、それをずっと気にしていた母からの富士山を見に行きたいという希望だった。
都合を合わせて今回はひとり旅ではなく親子旅で富士五湖巡りに出ることにした。
世界遺産【富士山】
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2013年に世界遺産に登録された富士山。
正確には【富士山-信仰の対象と芸術の源泉】。
–人々は噴火を繰り返す富士山を神が宿る山として恐れ敬うとともに、美しく雄大な富士山を詩歌や絵画に描いてきました。このような「信仰の対象」と「芸術の源泉」としての文化的価値を持つ富士山は、全人類共通の保護すべき宝として、2013年6月26日、世界遺産に登録されました。世界遺産として登録された範囲は、山そのものだけではなく、信仰や芸術と関係する山麓の神社や湖・湧水地・滝・松原などの25カ所です。–
とのこと。
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確かに平野にドンッと現れる富士山の姿。
冠雪した雄姿は古来から目印にもなり人々の敬意を集める対象だったのだろう。
間近に見るとさすがにデカい。
今回は富士五湖をまわるということで、富士山をグルッと1周回るプランだ。
出発は富士宮市
富士インターチェンジで高速を降りて、この日は富士宮市に宿を取った。
泊まったホテルはくれたけイン プレミアム 富士宮駅前。
さすがに母親を連れて普段泊まるような2-3,000円の宿やドミトリーみたいなチャレンジをする勇気は無かった。
ちなみにこのホテルは露天風呂が設置されていて、高速道路を運転してきた身体のコリをほぐしてくれる。
しかも朝食バイキングがついてきて、これもなかなか美味しい。
富士山巡りにはうってつけの場所にあるのでオススメのホテルだ。
夜ご飯はすぐ近くにあった【和食処 柚子】へ。
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二人とも軽くつまめたらイイね、という気分だったのでビールで乾杯しながら軽めの夕食を取る。
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富士五湖巡り出発!
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翌朝目を覚まして近くの公園を軽く散歩する。
祖父がもう1度富士山を見たいと積年の願いが叶ったような雲ひとつない快晴だった。
朝食を取ってから朝霧高原まで抜ける国道139号線「富士宮道路」を北上していく。
道中には日本の滝百選にも選ばれた【白糸の滝】があり立ち寄ってみた。
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確かに白糸の名の通り幾筋もの白糸ならぬ雪解け水をたらしている。
日差しがけっこう強かったこともあり、滝音としぶきが非常に気持ちいい。
本栖湖(もとすこ)
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富士宮市から来ると、一番初めに訪れることになる本栖湖。
富士五湖の最西端に位置する。
ここは逆さ富士が有名なようで、湖をグルッと1周回ってみた。
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少し波が立っており綺麗な逆さ富士とはいかなかったが、山麓が綺麗に見通せる。
綺麗に逆さ富士が見られた景色は5,000円札の裏面にもなっているところがこの本栖湖だ。
水面に近づくことができたので、車を降りてみた。
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好条件下では20mを超える透明度を観測する本州最高透明度の湖ということもあり、綺麗な青をしていた。
夏場だったらぜひ入ってみたいところだ。
精進湖(しょうじこ)
次に訪れたのは精進湖。
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先ほどの本栖湖にはキャンプ場があったりこの後出てくる河口湖や山中湖はかなり開発されて賑わっていたりするが、ここは東側・西側どちらからも遠い場所にあることも関係しているのかかなり静かだ。
富士山の麓は青木ヶ原樹海が広がっており眼前も緑に覆われていた。
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愛車のプラドが映えるわー。
静かで人も少なかったこともあり、ここで昼食にした。
精進湖で唯一あった【いろいろ料理 ことぶき】へ。
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ここがなかなか旅行先で食べる食事では好きな雰囲気だった。
母は『ほうとう』。
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この『ほうとう』は肉と野菜がてんこもり。
しかも七種の漢方食材が使われているとのことで、食べて美味しいだけじゃなく身体にもエネルギーを与えてくれる。
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自分はメニューを見てなぜか惹かれたチキンチーズカツレツ。
これがとんでもなくバカでかい。
モモ肉1枚使っているとのことだが、iPad miniよりデカいぐらいのサイズに辞書ほどもあるこの厚みで出てきてビックリ!
大満足の昼食となった。
目の前が湖と富士山という絶景レストランなので、ぜひ訪れてみてほしい。
西湖(さいこ)
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食後は五湖のちょうど折り返しにあたる3つ目の西湖。
ちょうどこの画像の右手が青木ヶ原樹海にあたる。
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ここは五湖の中で一番富士山を遠くに感じた。
河口湖(かわぐちこ)
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とうとう五湖のうち4つ目の河口湖へ。
少し雲が出てきて富士山は山頂が見えなくなってきていた。
陽も少し傾いてきている。
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河口湖は富士五湖の中でも最も北に位置する湖で、富士五湖で最も長い湖岸線がある。
この湖岸線沿いに世界遺産のサブタイトルにもある芸術の源泉にちなんだ様々な建物があり、せっかくなので立ち寄ってみることにした。
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周辺には何件もの美術館が並んでいるが、今回は母をもてなす旅でもあるのでその中から【河口湖 音楽と森の美術館】がいいとのこと。
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オルガンホールやコンサートホールでは各種音楽を楽しむことができ、ショップにはちょっと買い物ができるところまで。
時期によって展示内容は変更になるが、自身が立ち寄った時にはストラディヴァリウスが展示されていた。
父アントニオ、子フランチェスコ、オモボノが制作した弦楽器ストラディバリウス。
ストラディバリ父子が制作したヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ・マンドリン・ギターは素晴らしい音色を奏でるとされており、その価値数億円。
この時には5億円と3億円のストラディヴァリウスが2本展示されていた。
名前は聞いたことがあったが実物を見るのは初めて。
からっきし音楽センスは無いがそんな何億もするものが展示されているというだけでワクワクする。
美術館の展示なので写真アップは控えるがぜひこういった周辺の美術館巡りも楽しんでみてほしい。
夕焼け空の富士山と富士スバルライン
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思ったより長く美術館を満喫したこともあり、陽がもう沈みそうだ。
最後に残した山中湖は明日に取っておくことにして、1日の最後は富士山に近づいてみておくことにした。
富士スバルラインに少し入って、富士山が見える開けたところまで。
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あまり近寄りすぎると大きさがわかりにくいこともあり、ちょうどいいところまで。
この日見納めの富士山は山頂の雲もどこかに行ってしまい最高だった。
1日富士山まわりを走ってきたが、本当にどの角度からも末広がりで美しい。
富士山と祖父を身近に感じた1日だった。
山中湖旅館【梁山】とステーキ酒場
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宿泊は山中湖旅館【梁山】へ。
夜は周辺で鹿が闊歩しているような場所だったので、晩御飯は近場には限られていた。
車で出かけてもよかったが、1日ドライブしてきたので少し歩きたくなり歩いて行けるところへ。
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【山中湖畔のステーキ酒場】。
高級!といった感じではなくステーキ酒場の名の通りくつろげる雰囲気。
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名物らしい酒場ステーキや各部位がお手頃価格!
肩ロースを頼むとすぐに焼いて持ってきてくれた。
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味変の調味料も卓上にあって、ゆったり食べられた。
お肉も硬すぎず食べ応えがあって美味しい!
近くを通ったらオススメです!
山中湖(やまなかこ)
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翌朝の散歩道。
薄曇りな空模様だが、富士山はとても綺麗に見ることができた。
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アップにしてみると、登山道がうっすらと見えているような。
宿泊した梁山さんで軽く朝食を頂いて、今日は最後の湖となる山中湖巡り。
まずは『山中湖パノラマ台』という展望台に向かってみることにした。
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うっすら山頂に雲がかかりだしているが、それが逆にとても綺麗になっていた。
朝早かったこともあり、空気も澄んでいて最高。
雲がかかる朝一に訪れるのがオススメ!
景色を満喫したら、山中湖を1周して長池親水公園へ。
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少し逆さ富士とは言わないが、ここからの眺めは富士の裾野までが1番綺麗に見える。
五湖それぞれで色々な姿を見ることができる富士山。
日本人なら日本最高峰の霊峰として信仰され日本国の象徴でもある富士山を一度ゆっくり見る旅に出てみてはいかがでしょうか?
五湖を巡った後は富士山噴火でできた洞窟【駒門風穴】へ
富士山エリアから御殿場へ。
道中どこにも立ち寄らないのも面白くないので、駒門風穴(こまかどかざあな)に寄ってみた。
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民家のど真ん中にあるのがこの風穴の面白いところ。
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それにしても安い!早速チケットを購入して中へ。
テレビ取材も時々来ているような色紙や放送時の写真。
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入口に鳥居がある通りここ駒門風穴は風穴自体が風穴神社として信仰されている。
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本穴と横穴があり、本穴は291mの長さの風穴になっている。
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突如現れる冷気を感じる風穴。
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年中を通して約13℃で安定しているらしく、ここ駒門風穴は富士山でできた溶岩洞窟としては最古のものとなるようだ。
富士山から約40kmも離れたこんなところまで富士山の付け根は広がっているということか。
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内部から入口を見上げたところは実にフォトジェニック。
ぜひ内部はご自身で体験してみてほしい。
帰りは歩道のガイドに沿って出口へ。
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富士の湧水とは富士山巡りの最後にふさわしい。
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最後は箱根へ
2日に渡って富士五湖巡りをしてきた旅は、箱根をゴールにした。
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世界遺産の構成遺産にもなっている富士五湖から見る富士山。
それぞれの湖から見える姿はどれもそれぞれ雄大で、富士山の魅力を最大限に感じることができた。
円安の今だからこそ、日本の世界遺産巡りに出かけてみるのも良い。
ぜひ信仰の対象と芸術の源泉である『富士山』を巡る旅に出かけてみてはいかがでしょうか。